スズメバチは巨大な巣を作り、集団で生活する昆虫です。
女王蜂が産んだ大勢の働き蜂たちが主に外に出て狩りをしたり巣を増築したりしますが、いつ活動しているのでしょうか。
スズメバチの1日を調べてみました。
早朝と夕方が働き時
巣が大きくなり、蜂たちの活動が盛んになる夏ごろ、1日のうちに忙しさのピークを迎える時間帯が4回あります。
活動開始は早朝4時過ぎ、空が白みはじめたころです。
餌を探しに行く蜂、巣の材料を探しに行く蜂、収穫を手に戻ってくる蜂で巣の入り口(巣口)はひっきりなしに蜂が出入りを繰り返します。
この出入りが最も盛んなのが早朝と空が暗くなり始める夕方です。
このほか、やや忙しい時間帯が午前10時ごろと午後3時で、計4回のピークがあります。
お昼前後には活動がゆったりします。
強い日差しを避けているのだろうと考えられています。
夜も狩りをするの?
日が暮れることになると、外出はせず巣に戻ってきます。
しかし、休むわけではありません。
巣のなかで育房(幼虫を育てる部屋)を作ったり、幼虫の世話をしたりして働き続けています。
ですから、たとえ夜でも、蜂の巣にはむやみに近づかないほうがいいでしょう。
外出するときの工夫
働き蜂は、外に出ると迷わず狩り場に向かいます。
でも、羽化したばかりの新米の蜂は、いきなり遠くにはいきません。
まずは巣のまわりを旋回し、いったん巣に戻り、そして次はもう少し遠くまで飛んでいってはまた戻りを繰り返して、巣の位置を覚えこみます。
なかにはこの行為を忘れる蜂もいて、巣に帰れなくなってしまいます。
また、首尾よく獲物を捕まえることができた場合もその場所をしっかりと記憶することができます。
蜂のエネルギー源
女王蜂や働き蜂は、育てている幼虫からエネルギー源をもらいます。
大あごで幼虫ののど元を刺激し、透明な液を出してもらうのです。
これには蜂のエネルギーとなる糖分が含まれており、1度飲むと2時間近く活動することができるうえに100キロメートルほど飛行できるともいわれています。
この液体を基にした人間用のスポーツドリンクも開発されています。
まとめ
働き蜂たちは昼も夜もなく働いていることがわかりました。
とても有能な者が集まった社会のようです。
そして、働き蜂は1匹だけで隔離されると、いくら餌が豊富でも数日で亡くなってしまいます。
勝手な想像ですが、仲間のために働くことが大事な生きがいになっているのかもしれませんね。